親知らず自体の全てが抜歯が必要になるわけではありません。親知らずも立派な永久歯の1つですので、お口の状態や生え方によっては抜歯せずに残すことができます。
一方で親知らずを残すことによるデメリットが大きい場合は、迷わず抜歯をおすすめしております。その具体的な基準としては、以下のような項目が挙げられます。
※表は横スクロールできます
抜かなくてもよい親知らず |
抜いたほうがよい親知らず |
- 上下とも真っ直ぐに生えて正しく噛みあっている
- きちんと磨けて、清掃状態もよい
- 完全に骨の中に埋まっていて、
ほかの部位に悪影響を与えない
- ブリッジや入れ歯の土台として活用できる
- 将来、移植歯として活用できる
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- 横向きや斜め向きに生えている
- 虫歯や歯周病になっている
- 歯ブラシが届かず、清掃状態が悪い
- 腫れや痛みを繰り返している
- 隣の永久歯に悪影響を及ぼす
- 歯並びを悪くする原因になる
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「歯科用CT」の活用で抜歯を安全に

親知らずの周囲には大きな血管や神経が存在し、抜歯の際にこれらの組織を傷つけてしまうと大量出血や麻痺・痺れなどの後遺症を生じさせてしまいます。このような重篤なトラブルを回避するため、当院では事前に歯科用CTによる精密診断を実施し、より安全で確実な抜歯をおこなうようにしております。
抜歯における注意事項
神経麻痺
上記で述べさせてもらったCTを撮影することによって安全性の高い治療を行うことができるのですが、ごく稀にCTでも写りきらない細い神経があります。その場合綺麗に抜歯ができたとしても、本来麻酔が効れる時間になったとしても「まだ麻酔が効いてる気がする」、「ずっと痺れている」、「左右の感覚がなんとなく違う」などといった症状が出ることがあります。その場合はすぐにご連絡ください。
破折、骨折
抜歯を行う際は少なからず力が掛かってしまいます。抜歯の時は鉗子、挺子と呼ばれる器具を用いて行い、テコの原理を用いて抜歯します。その時にかかった負荷によって抜歯する周りの歯槽骨(歯を支えている骨)が軋んでしまい骨折を引き起こしたり、抜歯予定の歯の破折が起こることがあります。
ドライソケット
抜歯を行った後に起こる症状で本来抜歯を行った後には抜歯窩(抜歯した後の穴)に血液が溜まり、かさぶたが形成されて傷口が治っていきます。しかし血液がうまく溜まらず治癒不全を起こしてしまった時に穴が空いたままの状態になってしまうことをドライソケットと言います。ドライソケットができてしまうと空気を吸ったり、飲み物が入ってしまうだけでも強いい痛みが出てしまいます。ドライソケットができてしまった場合の治療方法としては1つ目は抗生剤を服用してもらいながら、口腔内専用の絆創膏を使い穴を塞ぎ空気や飲み物が当たらないようにし回復を待ちます。2つ目は抜歯窩を再度出血させることによってかさぶたを作り直すことによって治癒を施します。他にもいくつかの治療法がありますので詳しくは歯科医師までお尋ねください。
歯牙の迷入
上顎の抜歯を行う時に見られるもので人の上顎には上顎洞と呼ばれる空洞があります。抜歯を行う際に過度に力が掛かったりしてしまい上顎洞に歯が入り込んでしまうことです。このようになってしまうと歯を取り除くことができないため、外科的に取り除くことになります。
他にもさざまな注意事項があり、当院では抜歯を行う前に十分な説明と患者様の同意を得てから抜歯を行うようにしています。抜歯前にさまざまな同意書を記入していただいたり問診を行うと思いますのでご了承ください。
親知らずの抜歯以外にもお口のケガ(歯の破折・脱落)にも対応しています。
- 転倒や衝突などによるお口のケガ(頬や唇のケガ/歯の破折・脱落)にも対応しております。
- 歯が折れたり、抜けたりした場合は早めにご来院ください
ケガで歯が折れたり、抜けたりした場合は、歯を流水で軽く洗い流し、専用の保存液や牛乳に浸した状態でご持参ください。なお処置が早ければ早いほど、歯を元の状態に戻せる可能性が高くなります。当院では緊急時の対応もおこなっております。また、それ以外にも転んで歯を強く打ちつけた場合、見た目上は問題がないように思えても、歯の内部で根っこにヒビがはいっていたり、折れていたりすることがあります。またその時に異常がなくても、数ヶ月ほど経ってから歯や歯ぐきに腫れや痛みなどの症状があらわれるケースも少なくありません。歯の外傷についてはとくに症状がない場合でも、念のため一度受診し、詳しく検査しておくことをおすすめいたします。