歯周病は「歯ぐきが腫れる」「歯ぐきから血が出る」などの症状をよく耳にすることから“歯周病=歯ぐきの病気”と思われている方も少なくないようです。しかし歯周病が本当に恐ろしいのは、その炎症が歯ぐきの中だけにとどまらず、やがてその奥にある歯槽骨(しそうこつ)にまで広がり、骨を破壊してしまうことにあります。歯槽骨は歯を支える重要な骨であり、歯周病によって歯槽骨が破壊されると、最終的には歯を失うことになってしまいます。
歯周病の細菌は虫歯の細菌と種類が違うものになります。虫歯の細菌はわたしたち人間と同じで酸素を吸わないと死んでしまうことに対して、歯周病の細菌は酸素を吸うと死んでしまいます。
そのため歯周病の細菌たちはなるべく酸素の濃度が低い部位に生息しようとします。
お口の中で最も酸素濃度が低いところは歯周ポケット(歯と歯茎の間)と呼ばれる部位になります。
こちらの図の歯周ポケットと呼ばれる場所に歯周病の細菌がたくさん生息しています。
こちらの図のように健康な状態と比較し悪化すると歯の根っこを支えるための歯槽骨が顕著に失われています。このようになると歯がぐらぐらになり歯としての機能が果たせなくなってしまい、最終的には抜歯になる可能性がでてきてしまいます。